21.八重山への移住者急増を考える
X    この前、あやぱにモールの「やまだ書店」に行ったんだが、いやいやすごかったね。移住関係の本。
     「沖縄スタイル」「島へ」「沖縄移住何とかかんとか」5〜6種類平積みしてあってそれだけでコーナーが出来てる。

仲田  沖縄ブームですからね。そういえば「島へ」って雑誌が取り上げてあげるからタダで泊めろ。っていってきたな。
     断ったけど。しかし、南国暮らしのいいところばかり取り上げている所は否めませんな。
     石垣島も5000人/年くらい転入しているが3000人/年くらい、内地へ帰っているらしいんだけど。


X    記事中にある57歳の人もさ、だいたい人間のストレスって言うのは仕事関係か人間関係がほとんどだろうから
     仕事をリタイヤして引越してくれば一時的にストレスがなくなるのは当たり前なんだよな。

仲田  石垣でどっかに勤めて働こうと思ったら、またストレスもあるけどね。
     地域や職場の人間関係は、当然ながら都会と比べれば濃厚ですよ。
     馴染めなければこれも相当なストレスになるはず。


X    石垣に職はあるのかい?

仲田  失業率は日本で最悪の沖縄の中でももっと悪い。しかし観光系のアルバイトを職に入れればそれなりに。
     ただ、時給は650円〜700円。上には血縁、地縁。時給はあがらない。地位も上がらない。
     やる気がある人ほど「こんなはずじゃなかった」と思うのもはやいでしょう。

     
もちろん、すべての職場という訳ではないよ。

X    時給700円だとしても、700円×8時間(拘束時間は9時間以上)×25日で14万か。
     年金、健康保険、税金も引かれたら、憧れのスローライフをめざすにはちょっと厳しい金額ではあるな。

仲田  知り合いでも、お金の問題で帰っていく人は多いよ。こっちにいても未来の展望が開けないから。
     20代ならまだいいけど、30代でバイト生活はきついからねえ。
     なかた荘のお客さんだった女の子でも、移住してきて昼間は観光関係で働き、夜は居酒屋で
     働いている人がいるよ。生活が大変って嘆いている。休みの日にはダイビングもしたい、あれも
     これも・・・・って思っていたらしいけど、実際は休みの日は疲れて寝てるだけとか。

X    まあ、そういう生活を続けていれば、何のために沖縄に来たのか?って話になるよな。
     でも、そういう人だけでもないよな。うまくやってる人も当然いっぱいいる訳で。

仲田  そうだね。しかし、地縁も血縁も無い、文化も大幅に違う場所に来るのだったら
      腕(技術)か頭(アイデア)かそれか金か。そのうちの何かがないときついと思うよ。

X    金だけを持ってくる人もいるな。定年後の余生を過ごしたいって言って米原あたりに家を建てちゃったり。

仲田  余生を温暖な土地で過ごしたいって言うのはわかるね。ただ医療面の不安がね。
     定年後なら60代前半、5年以内に医者に掛かる可能性は少なく無いだろうし、10年以内には
     ホームヘルパーの世話になる可能性だってある。石垣以外の離島ならそこら辺のケアはゼロに近いからね。
     石垣だってあやしいもんだし。親戚もいない場所で大丈夫か?じっくり考えないと。沖縄のおじいおばあが
     丈夫そうに見えるのは大家族、親戚のバックアップがあってこそだからね。

X    黒島でもそうかい?

仲田  医者のいない島に60才過ぎて来てもきびしいと思うよ。歓迎もあまりされないだろうし。
     老人が相対的に多くなると言うのは、その地域から活力を殺ぐから。もちろん何らかの
     技術や産業を持ってきてくれる人なら別だと思うけど。

X    若者はどうなの?

仲田  雇用という面では、現状だと民宿や食堂のヘルパーとか、牧場の手伝いとかですか。2〜3食はつくけど
     日給にすれば1500〜3000円程度かな。半年〜数年くらいはいられるけど、定住は厳しいだろうね。
     定住しようと思ったら、自分で職は作らないと。

X    会社も無いし、なかなか厳しそうではある。

仲田  でも、考え方を変えればさ、産業が牛と観光しかないというのはチャンスでもあるわけで。
     それくらいのバイタリティがなければ、やっていくのは難しいと思う。
     つい最近まで、ほとんどの島で人口が減っていたのはなぜか。都会でも島でも
     生きていく厳しさはそんなに変わらないと思うよ。



2005年04月12日(火) 読売新聞Web版より

安易な移住続々、行き詰まり…人口急増の石垣島困惑

沖縄県石垣島。台湾の目と鼻の先にあるこの亜熱帯の島では、ここ数年、本土からの移住者が急増している。
青い空と海、温暖な気候にあこがれて、首都圏などから島にやってくる人々がほとんどだが、突然、大挙して
移住者が押しかけてきたことで、困惑も広がっている。単なる“楽園願望”だけで島に飛び込んでくる若者たちも
いるからだ。石垣市では、移住の影響について、本格的な情報収集に乗り出した。

石垣市によると、住民票の異動だけを見ても、一昨年から島の転入人口は約3000人も増加している。
これに、住民票を異動しないで生活をしている人も含めると、その数は5000人に達するという。
「具体的な分析をしていないので、はっきりしたことは言えないが、おそらく、ほとんどが本土からの移住者だろう」と、
同市企画調整室の長嶺康茂副主幹は推測する。

沖縄県全体では、同じ2年間で約5万1500人が本土から移り住んでいるが、転勤などで
沖縄本島にやってきた人も多く含まれているとみられる。
石垣市の現在の人口は約4万5000人。これまではおおむね微増で推移してきたが、一昨年を境に急増を始めた。
異常とも言えるこのブームの背景には、いくつかの理由が指摘されている。
そのひとつは、航空・旅行会社のPRや、雑誌の特集などで楽園イメージが広まったこと。
また、周辺の八重山の島を舞台にしたテレビドラマも、人気を後押しした。
都市化が進んだ沖縄本島より、手つかずの自然が多いうえ、沖縄らしさを色濃く残していることも魅力らしい。
移住してくる人たちの年齢層は幅広い。夫の定年を機にやってくる夫婦や、働き盛りの30〜40代の男性のほか
本土での就職をあきらめて、島に希望を求めてきた若者もいる。

製薬会社を退職し、昨年2月に一戸建てを購入し、大阪から移住してきた小川利一さん(57)は、
「真冬でも半袖でいられるし、都会のようなストレスはまったくない。人生とは何てすばらしいんだろう、と
ここにきて実感しています」と話す。

一方で、「先の見えない不況に絶望した人々がやってくるケースも多い」。
そう話すのは、市内にある不動産会社の男性社員だ。この社員は、移住者向けに賃貸住宅を仲介してきたが、
「都会でバリバリ競争して、血道をあげるだけが人生ではない、と悟った人たちが目立つ」と指摘する。

だが、国内でも有効求人倍率が最低水準にとどまっている沖縄県の中でも、観光や農業が基幹産業である
石垣市の雇用情勢は、非常に厳しく、下見もせずに安易に移住しても、就職難に見舞われるケースは少なくない。
「島に渡ってくる若者の中には、仕事先もなく、苦労している人たちも多い」のだという。

思ったような仕事に就けず、「理想と違った」と不満を口にするものの、本土に戻る気力もなくし、島で
放浪生活を送る若い男性もいるという。

石垣市では最近、移住が島に対してどのような影響を与えるか、調査に本腰を入れ始めた。
もともと暮らしていた住民との摩擦も考えられる一方、都会のIT業界、サービス業界などに従事していた移住者たちが
持っているノウハウが、「島おこし」に活用できる可能性もあるからだ。

「喜んでいいのか、それとも問題として考えなければならないのか。正直言って、どう評価していいか、はかりかねている」
長嶺副主幹は、戸惑いながら、打ち明けた。


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